221人が本棚に入れています
本棚に追加
/190ページ
そう考えて、一日過ごしていたんだな。俺は。
俺が言った“連絡が来るまで待ってる”という言葉は、確実に自分自身を苦しめているなと思った。これが、もっと続いたら?
そのまま離れることになったら?
彼女の不安は、二人で話すことでしか埋まらないことなのに、怒って焦って突き放したのと同じだったなと思った。
花卉市場の入荷の予定表や、農園の情報をチェックしているうちに、結構な時間が過ぎていた。
ガラス扉が大きくきしむ音が聞こえて、俺はすぐに立ち上がった。
きっと彼女だ。
勢いに任せて、ドアを押してしまうほどの思いが彼女にあるなら。
そう期待して、ガラス扉の向こうに見える彼女のシルエットに向かった。
to be continue…
最初のコメントを投稿しよう!