私達の最高の卒業式

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私達の最高の卒業式

「ふぅ。」私は帰りの電車のなかで一息つく。高校生最後の収録も無事終わり、1人帰りの電車の中で想いにふける。「激動の高校生活だったな。」素人バンドで一世風靡をあげていた私達。今のプロデューサーの目に留まり、高校2年生でデビュー。親友あやめの作曲に、私の作詞がぴったり当てはまり、今では出す曲オリコン一位をいただけるほどにまで上り詰めることができた。何か恩返しができないかな?四日市に着いたら哲也くんに相談してみよう。 「…。」「お帰り。茜。」 私の帰りを必ず駅で待っていてくれる。そして、他人の目を気にすることなく、恒例の抱っこをされている私。 「毎回思うんだけど、やっぱりこれ恥ずかしいんだけど。」彼の胸から顔を少し離し、上目で哲也君を見る。 「いい加減なれたら。」笑いながら私の頭を撫でる。太一君と別れてから使ってくる哲也君の新必殺技だ。 「きゅー。」私は真っ赤になって胸にうずくまる。これやられると力がはいらないんだよぉ。ふらつきそうになる体を、哲也君の上着を両手で掴んで耐えるしかなかった。
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