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「問題は在校生で出席しない椿と唯だな。」
1年生の二人は卒業式に出席しない。「二年生の送辞の時に後ろからこっそりはいる。次に裕と月島の答辞の時に反対側の舞台袖から入るのはどうだ?」確かに送辞の時に後ろを見るやつはいないだろう。答辞で裕達が引き付ければ、反対から入るのはたやすいかも。
「茜と柊もこの時に入らないといけないぞ。」どうやら答辞~卒業生退場の間に一曲やるみたいだ。
「曲は?」
「うーん、順当に行けば未来へなんだけど。」
「あれは解散コンサートでやったろ。」
「じゃあ、ダブルA面のこの曲なら?」
「うん、ピッタリだ。」
「ちょっと、練習どうすんのよ。一回もやったことない曲よ。茜とあやめだけじゃん。」陽葵がつっこんでくる。確かに、この曲は一回も音合わせなどやったことがない。作曲のあやめと歌い手の私以外は。
「風呂でたら合わせるか。明日1日あるしな。」呑気な哲也君。あんたは楽器演奏しないからね。といいつつも、昨年の11月以来こうして集まったメンバーとの音あわせは物凄く楽しい時間であった。
次の日。私達が練習している間に、哲也君は単身で学校に乗り込み、校長達と直談判しにいってくれた。難色を示していた教師達であったが、哲也君の熱心なプレゼンに校長先生が賛同してくれた。ありがとう。あんたがいなかったら、叶わなかったイベントだったよ。
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