私達の最高の卒業式

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私はみんなと別れて10組にはいる。 「茜、おめでとう。」 「茜、ありがとね。」 みんなが声をかけてくれる。このクラスは人より技能、特技が飛び抜けている特殊クラス。スポーツや、おしゃべり、はたまた器用など一般人とはいえない変人クラスだった。 式が始まる。3年生450人、最後の学校行事にむかう。1組から体育館にはいる。かなりまたされてから10組が入場し、最後に特別クラスのS組が入場する。県内屈指の学力を誇るS組。帝国大学や京大学、難波大学など全国屈指の大学に簡単に入っていく猛者達の入場に拍手が大きくなる。 三年生が入場を終え、卒業式が始まった。 開会挨拶。校長挨拶と進み、卒業証書授与に移る。 S組トップに君臨する親友嶋田裕が代表で校長の祝辞と共に証書をうけとる。 引き続き、各クラスの代表がクラス分の証書を受けとる。10組は…私だ。恐る恐る雛壇に上がり証書を受けとる。 「荻窪さん。素晴らしい活躍おめでとう。未来に羽ばたいてください。」校長の一言に涙が溢れる。 在校生の送辞が始まる。椿と唯ちゃんはうまく潜り込めたかな? そして卒業生の答辞。代表は裕とあやめ。白紙の原稿はださない。淡々とふたりで話し出す。全生徒が二人を注目する。原稿なしで、二人が交互に話し出すからだ。今のうちにこっそりと舞台裏にあがる。 「あの二人は怪物?」同じく抜け出してきた陽葵が呆れていた。 「兄ちゃんは凄いんです。」誇らしげな唯ちゃん。確かにあの裕がお兄ちゃんなら誇らしいよね。 「さて、各々配置について。」哲也君の一声で配置につく。高校生生活最後の花火。盛大に打ち上げるよ。
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