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「明日の16時か……」
二人がこの封筒に気づいたのは正午過ぎである。
何か食べに出るかと、出掛けにポストを探って気がついた。
何気なく中を確認したふたりは、あわてて部屋に引き返して、今に至る。
今は白い紙の方が重大で、食べに行く気は失せているが、お腹には何か入れたい。
美紗は棚からカップ麺を取り出し、湯を沸かし始めた。
「ねえ、信くん。後でそのコインロッカーまで行ってみない? ちょっと、確認というかさ。明日まで時間あるし……。どっち?」
言いながら美紗はカップ麺を信雄に見せる。
「あ、こっちで……。そうだな、確認しに行ってみるか」
信雄は片方のカップ麺を受け取ると、黙々とそれを開けて湯を注ぐ準備を始めた。
今、コインロッカーを見に行ったところで何もならないことはわかっていたが、何かせずにはいられなかった。
改めて考えてみても、対面でお金を受け取るわけでもないし、コインロッカーでの受け渡しで自分達に不利益になることは何もないように思える。
万が一、誰かに見張られていたとしても、この紙を見て来ただけだと言えば、罪に問われることもないだろう。
ふたりはカップ麺に湯を注ぐと、白い紙を挟んで向かい合って座り、ニヤッと笑った。
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