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出所
逮捕歴あるし、仕事なんて見つからないだろうな。そう思っていた。だが、少し前に出所した友達の隼人が、知り合いのところで働かせてくれると約束してくれた。今まで散々騙されてきたのに、どうしてなのかその言葉を信じてしまった。
きっと、また俺は騙されてしまうかもしれないのに。
刑務所を出ると、迎えが来ていた。隼人も車に乗っている。知り合いの車らしい。早速後部座席に乗り込み、発進した。
車で移動しながら話す。住むところと働くところを提供してくれると運転してる人が言った。よかった。騙されてな…
「お前、借金の保証人なんだろ?」
「え」
一瞬思考が停止した。なぜそれを知ってるんだ?隼人にも話してないのに。
「お前、逃げたやつの行方は知らないのか?」
「…はい」
「それで?なんで万引きで捕まった?」
「え」
なぜそんなことまで。悪いやつに騙されたとしか隼人には話してないのに。
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