キャバクラ勤務

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「君は女は好きかい?」 「え、うーん…よくわかりません」 「彼女は?」 「いないです」 「その靴はいつから履いてる?」 「えっと、昨日もらいました」 「ほこりがついているね。これで拭いてあげよう」 お坊さんに、しゃがませておしぼりでお客様に靴磨きさせてしまっ… 「雪見なにやってんだよ!」 ぎゃー隼人にやっぱり見つかった!しまった… 「あ、あの…すみません、ありがとうございました、もういいですよ」 すっと足を引っ込めたらすぐに隼人と一緒に頭を下げる。 「申し訳ありません!」 「君はなにもしていないよ。顔を上げなさい」 顔を上げたらまた見つめられた。もう立ち上がってる。足腰強いおじさんだな。 「名前は、夢路雪見(ゆめじゆきみ)か。親に捨てられたなら、私の養子にならないか?」 「養子?」 「え、天野様…?雪見、お前名前言った?」 「いや…」 言ってないのに。ネームとかないのに。 「私の息子になってくれたら助かる。寺に住まないか?」 そ、そんな。夢に出てきたあの寺? いや…でも恐ろしいことに… 「なに、心配することない。私が怖いものは払う。雪見くん。今の家はどんなところかな?」 それは…狭い部屋で、隼人と2人寝るので精一杯な部屋。なんて言ってもなぁ。 「寺は広くて、飯もゆっくり食べさせてやる。今日からでも来ないか?」 「え、そんな…いいんですか?」 って言ったのに。なんか無視された。隼人を見てる。 「じゃあそういうことで。私が帰るときに一緒に寺に行こう」 寺に行く流れに? 隼人はそのままどこかへすーっといなくなるった。話した?
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