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「しかしまた、なんでそんなことになるかな」
「それはあれだろ、遂に俺の魅力が開花して……」
「それはないでしょ」
ユイの疑問に大真面目に答えている途中で、マミにバッサリ却下された。失礼な奴だなと非難の目を向けると、代わりにマミからはジトッとした視線を送られた。
「あんなに普段から遥香さん好き、遥香さん好きって言いまくってる男のどこに惹かれるっていうのよ」
「一理あるな」
なんだとこの、と思うが、ユイまで同意し出すから反論の機会は奪われてしまった。遠慮のない言い分は失礼極まりないが、仕方がないので寛大な心で許してやることにする。それに、マミの言う通りで確かに不思議ではあるのだ。俺が遥香さんを好きなことは二年の奴なら大体は知っているだろう事実だからだ。
俺に対する女子の忖度ない意見はこうだ。ーー顔は悪くないのにね。それにも関わらず全くモテない。告白されるどころか、何組の誰々が俺のこと良いって言ってたよなどという心が躍るような話も一切ない。それらの原因は全て俺が遥香さんを好きだと公言しているから……らしい。それもかなり派手に。曰く「100%振られるの分かってて告白する馬鹿いないでしょ」「逆にOKだったら、は? なにこいつって思うよね」なんだとか。
そんなわけで、まさかの事態に動揺し、その相手もまさかの人物だったために更に混乱した、というのが今回の告白劇の全貌である。
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