洗礼 全6巻(文庫版は全3巻)

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序盤から吐き気を催す程の邪悪な展開。娘の上原さくらは母親の若草いずみを心から慕っており、特に誕生日の度に「帽子」を買ってくれることに対する感謝の作文は文部大臣賞を受賞するほど。しかし、若草いずみが帽子を買う理由は「頭の大きさのチェック」に過ぎなかった……  この話、序盤も序盤、最序盤。いきなり心折りに来てる。 脳の取替えシーンもグロい。しかし、楳図かずお曰く「麻酔から入れ替えシーンまで全部適当」だそうな。確かに麻酔が足つぼと言うのは流石に無茶が過ぎる。 第二の人生を歩み始めた若草いずみは事もあろうに担任教師の谷川先生に一目惚れ、今現在親がいない(前までの体は庭に埋めた)ことを利用して、同情を買い谷川先生の家に潜り込むことに。しかし、谷川先生には妻の和代がいた。 ここから漫画界屈指のトラウマシーン。若草いずみによる和代追い出し作戦が始まるのであった。 黒電話にカミソリを仕込んで連絡遮断。ゴキブリおかゆを食べさせる。クリーニング屋を間男として家に入れさせる。アイロンで下半身を焼こうとする(未遂)。首を吊らせようとする。子供を高い高い(他界他界)する勢いで天井に向かって投げる。動物アレルギーの子供の前に野良犬の生皮を置く。 元・子役って…… なんだろう。ホーム・アローン的な映画に出ていたのだろうか。 和代の追い出しに成功した後は色仕掛けで谷川先生を籠絡。小学生の体だぞどうなってるんだ。 楳図かずお漫画のラブシーンってほぼないんですよね…… 洗礼においては「イメージ映像」で野原を駆け回るコマのみ。 でも多分、事後よね…… 同級生たちも上原さくらの雰囲気が変わったことで「あいつ、偽物じゃね?」と気が付き出す。一応親友の良子さんにはカミングアウトしたのですが…… 疑ってる様子。 終盤になってどんでん返し、何と上原さくらの顔にも痣が浮かんできてしまった。谷川先生を諦めきれない若草いずみは、和代と脳を入れ替える決意をしたのであった。
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