中年スーパーマン左江内氏 全1巻

4/6
8人が本棚に入れています
本棚に追加
/489ページ
話は飛んで最終回。左江内氏は出世の芽が出なく鬱屈した日々を送っていた。 そんな中、野党政治家の佐城浪角が暴漢に襲われているところを救助する。 佐城浪角は与党幹事長の肥原が行う国有地払い下げの件を追求したことで、肥原の送り込んだ暴漢に襲撃されたのだった…… あれ? 国有地払い下げ? 最近現実でも似たようなことあったな…… ゲフンゲフン 左江内氏、正義感の強い性格で口封じのために暴漢をよこす肥原幹事長に怒り心頭。佐城浪角の「不正を許さない」と言う理念に共感し、涙を流す程に感動するのであった。 左江内氏、肥原幹事長の元にカチコミをかける。最悪の場合、命を奪い粛清する覚悟を持ってのカチコミであった。 しかし、肥原幹事長は与党の幹事長を務めるだけあって大物。見た感じは昭和の大物政治家の風格すら感じる程の大器であった。左江内氏の脅迫にも怯む気配は一切なし。 「わしは体を張ってやっておる! 国家百年の計を案ずれば佐城を黙らせねばいかん。わしはやるよ」 口封じのために野党政治家を殺すことも辞さないとまで言ったぞ…… つまり、国有地の払い下げで金儲けているのは事実で、口を封じないとヤバいのは間違いない。ってことになりますね。 左江内氏は「追求されてこまることをする方が悪い」と、当然思うことを言う。 肥原幹事長は引かない。 「政治とはそんなものさ、清濁併せ呑む度量がなくては天下を動かせん。私腹を肥やしたわけではないぞ。利益は全て政治資金となる。いいか! 日本を赤化から救うためには我が党がガッチリ政権を握り続ける必要があるのだ!! そのための資金だ! 国民のためなのだ!! しかるにだ! 佐城のごときオッチョコチョイがその件をほじくるならば、世論は騒然となる。不穏分子に乗ずるスキを与える。悪くすれば亡国の糸口となる」 政治のための政治資金を稼ぐのに国有地払い下げが必要で…… 政権交代が成されれば赤化の危険性があるってことですね。 赤化…… 国家が共産主義になること。 共産主義…… 元々の名前はマルクス主義で、18世紀の英国の産業革命によって色濃く出るようになった資本主義が抱える労働者に対する圧制を開放するって考えでしたっけ。 ゲームで言うならアサシンクリードシンジケートの世界観でしょうか。女子供関係なく一日何十時間も休みなしに働き、怪我しても給料天引きで労災も無かったとか、特をするのは資本家のみ。 そう言えば…… 以前に拙作の「神様になる試験」の序盤で取り上げた「ピッパが通る」も産業革命期の話になりますね。休みが年に数日しかない時代だったとか。 労働者に対する圧制の解放。そのためには政治・経済・文化・風俗などを、人民の中から選んだ優秀な者が管理するシステムを構築しなくてはいけない。そうすることで皆が働いて得た利益を平等に分配し格差のない理想の社会になるそうな。 人民の中から選んだ優秀な者が管理する。と言うのがミソ。エリートが大衆を支配する社会。 1984みたいな話になってきましたね…… 
/489ページ

最初のコメントを投稿しよう!