中年スーパーマン左江内氏 全1巻

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政治家の言動にイライラしてる人ってマクロな目線で国を俯瞰気味で見てる様に思うんですよね…… そんな人はこの漫画の最終回だけでも読んでみてはどうでしょうか。パーやんも「ぼちぼちやればよろしいでんがな」って言ってるぐらいなので、マクロな目線じゃなく、ミクロな目線で自分の周りを見て「ぼちぼちやりましょう」ぐらいでスッキリと力抜く切欠にはなると思います。 この最終回だけでも「いい漫画に巡り会えた」って私は思ってます。 先にウルトラスーパーデラックスマンの名前を出したのですが、ウルトラスーパーデラックスマンは超能力を得たことで最強の力を得、力に溺れ、正義を行使する孤独な凶人となる話。 左江内氏もスーパーマンスーツに最強の力を得、力に溺れ、正義を行使する凶人になりかけるんですよね。(タクシーの横入りで割り込んできた相手をボコにする話)でも、踏み留まって反省した。踏み留まってなかったら、最終回で佐城浪角と肥原幹事長はどうなっていたのか。 もし、左江内氏の世界にウルトラスーパーデラックスマンがいたら間違いなく佐城浪角と肥原幹事長は「ひねら」れていたでしょうね……  左江内氏、一回スーパーマンスーツ盗られているのですが…… その窃盗犯、物凄い正義感の塊みたいな男なんですよ。盗られたままならウルトラスーパーデラックスマンみたいな話にシフトチェンジしていたでしょうね…… 恐ろしい。 両方とも同じヒーローではありますが、物凄い差があります。藤子F不二雄先生の作品ってヒーローものはあれど、それに対抗するヴィランはあまりいないんですよね。左江内氏もウルトラスーパーデラックスマンも敵がいるとしたら脆弱な人間、パーマンもロボットこそ出てくるものの基本は圧倒的で勝負にならない。日常ものに特異能力者がいたらって感じの作品が多いイメージ。 ヒーローがいるなら同等の(ヴィラン)もいないといけない。藤子F不二雄先生の作品でそれが成り立つのはドラえもんの21世紀のひみつ道具にも負けないぐらいの劇場版の敵達ぐらいじゃないでしょうか。後は21エモンの各星々の驚異とか。チンプイのダルーサ…… は違うかw ヒーローがいるなら同等の(ヴィラン)もいないといけない。それを体現した作品は「鉄人をひろったよ」(いつか取り上げます)になるのでしょうか。簡単に言えば鉄人28号はあるけど、ブラックオックスもモンスターもファイア2世もロビーもいない世界観。 言うなれば孤独なウルトラスーパーデラックスマンの状態。 左江内氏の世界だと割とスーパーマンいるみたいですが…… もし、左江内一人だけで、最後のパーやんの救済がなかったらと思うと…… こう考えると、案外紙一重な2作品ですね。ウルトラスーパーデラックスマンと、中年スーパーマン左江内氏。
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