不器用な理髪師 藤子不二雄A ブラックユーモア短編集1 収録

1/4
8人が本棚に入れています
本棚に追加
/489ページ

不器用な理髪師 藤子不二雄A ブラックユーモア短編集1 収録

床屋に行った時の話を。待ち時間の暇潰しに置いてある漫画を読んでいたんですよ。 私の行きつけの場所は北斗の拳全巻があって、後はこまごまとした別漫画がといった感じ。 私は北斗の拳の適当なコマ見せられれば何巻のどこのセリフかわかるぐらいに頭入ってるぐらいに読み込んでいるために、こまごまとした別漫画を手に取ることに。取ったのは「笑ゥせぇるすまん」のコンビニ本。傑作エピソードがいくつか収録されているやつ。 相変わらず喪黒は酷いなぁと思いながらページを読み進めると「切る」が目に入る。床屋に来ていてこれは縁起が悪い……  エピソード「切る」は、床屋の話。床屋の店長の出無野風太はカミソリで顔を剃ることが苦手な青年…… 店長なのに顔剃りが苦手とはこれいかに。 喪黒は自分の顔を剃らせるも、玩具の鼻を放り投げて風太をからかう(この時点でどうしようもねぇな) そこで喪黒は精神安定剤的な煙草を渡し「ドーン!!」するのであった。この時点で風太は運の尽き、煙草の力を借りなくては顔剃りが出来ない体になってしまった。 後は例によって従業員に煙草を吸われてしまい、煙草なしでの顔剃りをする羽目になってしまった。 サクッ 新聞に殺人犯風太の顔が載ったところでネタバラシ、実は精神安定剤が入っていたのは最初の一本の煙草のみ、残りの煙草は普通の煙草。つまり、二本目以降は自分の実力でちゃんと顔剃りが出来ていたのだった。 喪黒…… 相当悪質よね…… ハメる気満々じゃないですか。 おう、こわいこわい。 私がそんなことを思っていると、床屋の店長(大将)が呼び出してきた。 「岩佐さーん、どーぞー」 私、ここ行きつけなので「カットのみですか?」「顔剃りもシャンプーもいたしますか?」すら聞かれないんですよ。そんなわけで…… 「顔剃り行きますね~」 「頼むわ」 すると、見慣れない若い男が私の顔にシェービングクリームをぬりぬりし始めた。微妙に店長と顔が似ていることから息子だろう。大将が紹介に入る。 「息子です、やっと理容師の資格を取りました」 「跡継ぎも出来ていいですね~ 息子さん跡継いでくれてここも安泰ですね~」と、お世辞を並べる「今日、どうしますか」すら聞かれないぐらいの付き合いですし、このぐらいは言う関係w
/489ページ

最初のコメントを投稿しよう!