不器用な理髪師 藤子不二雄A ブラックユーモア短編集1 収録

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この店長、話好きなのか顔剃り中にも関わらずに客に話しかける。 今は長髪の流行で床屋業界が風前の灯、息子と二人で店を回しているのだが…… 息子が顔も剃れないドヘタで困ってる云々。 「こないだも、客の鼻を削ぎ落としましてね」 その客、喪黒って名前じゃありませんかw シェービング中は気持ちいいのか、すっかり寝入ってしまう。店長から息子の店員にシェービングをチェンジ。例によってやらかして眉の上をサックリ。店長は血止めと称してクロロホルムを嗅がせて眠らせに入る。 この時点でもうダメだろこの床屋。 目を覚ましたセールスマン、座っているのは椅子ではなく拘束具…… 店長曰く、息子が顔剃りが下手なのは練習が足りないからだそうな。生きた人間で本物のカミソリで練習しないと意味ないと言う実践主義。 息子はこれでもう何人も殺ってるそうな…… 店長も死体処理手慣れてそう。 サクッ 例によって頸動脈を切ってしまう。 「父ちゃん、またやってしまったよォ……!!」 「しょうがねぇなぁ、お前って奴は何人コロせば一人前になるんだよッ!」
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