コロリころげた木の根っ子 藤子F不二雄 異色短編集収録

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大和の家に招待された西村だったが、大和は出迎えた妻にいきなり平手打ち! 大和が飼っている猿が逃げ出した責任を取らせるための折檻だそうな…… 尚、猿は勝手に逃げ出しただけで奥さんの不手際は一切なし。 大和曰く「家の不始末は全て任せている妻にある」と大時代的なものの言い方。昭和初期の男尊女卑が服着て歩いているようなステレオタイプの亭主関白。1974年ならこんな感じのパパンもまだいただろう時期。 大和、いきなり西村に酒を薦める。原稿用紙の横にボトルが用意してるところ、飲みながら書くタイプのお人。しかし、ボトルはカラ…… 再び奥さんに大和の拳が炸裂するのであった。 「ボトルがなくなる時間ぐらい見計らえないのか! 何年女房をやっているんだ!!」 不条理! こんなエスパーみたいな真似が出来るのだろうか。世の奥様方は旦那の酒のペースって知ってるもんなんですかね? 大和の仕事部屋の前にはボトルが放置…… 階段の前と極めて危険。西村は隅にボトルを避けるのであった。しかし、編集部に電話をして戻ってきた頃にはまた階段の前にボトルが移動していた。再び隅に避ける。 一行も書いていないのでは仕方ない。原稿は後日に回そうとしたのだが、大和が「私は取りかかれば早い」と流石はプロみたいなことを宣い出し、泊まりで原稿を待つことに。 西村はトイレを借りた。この家は古いのか今だに汲取式、しかも煙草の灰皿が置いてあり、 大和は「クソした後の一服」を楽しんでいる様子だった。 煙草が美味しく感じる3つの瞬間。 一つ、飯食った後。 二つ、ヤッた後。 三つ、クソした後。 カメレオンの加瀬あつし先生が言うんだから間違いないだろうw 西村は今朝の新聞を読んでいなかったことを思い出し、借りることに。しかし、借りた新聞は「とある記事」だけが切られている。これを不思議に思いながら階段を昇ると、最上段の足元には端に避けたはずのボトルが!  西村は階段から落ちて重症を負ってしまう。 しかし、ここは藤子F不二雄ワールド、一コマで全治wwwww 大和は妻の胸ぐらを掴み、叱責。 「これまで何度も注意したな! 空き瓶はすぐに片付けろと…… それをきさまは……」 この奥さん、案外ドジっ子なのだろうか…… これすらも恐ろしい伏線。
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