内気な色事師 藤子不二雄A ブラックユーモア短編集1 収録

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ストーカーの精神状態が無茶苦茶リアルに描かれてる…… 他人の気持ちよりも自分の気持ちを優先し、時子に依存し、最後は暴力に訴えるところが、依存性パーソナリティ障害と反社会性パーソナリティ障害を重ね合わたと言った感じでしょうか。 丹野は初めから心の病気であるパーソナリティ障害を抱えていたってことになりますね。 パーソナリティ障害っていっぱいあるんですね。自己愛性と境界性の二つしか知りませんでした。この言葉が生まれたのも2003年頃。 妄想性パーソナリティ障害、いわゆる被害妄想、統合失調症もこのカテゴリに入る。 自己愛性パーソナリティ障害、自分が大好き! 自分は何でも出来る! 他人に自分を認めて欲しい! と、思い込む。 反社会性パーソナリティ障害、他者の権利を無視・侵害(なんとも思わない)して、暴力に打って出る。 演技性パーソナリティ障害、注目を集めるために何もかもが大げさな行動をとる。 依存性パーソナリティ障害、他者に過剰なまでに依存する…… 依存さえ出来ればよく、他者のことは一切考えない。 強迫性パーソナリティ障害、他者に評価されることが怖すぎて慎重に慎重を重ねすぎる。 回避性パーソナリティ障害、周囲の拒絶を恐れ、初めから人付き合いを回避する。 他、多数ありますが…… ここは割愛させていただきます。 人畜無害なものから、極めて有害なものまで様々なものがあるようです。 丹野は時子に依存する依存性と、反社会性が重なったタチの悪いもの。 友達の中にも「あいつ、いつも集まりの中で俺以外の友達とは付き合い悪いな」とか「あれ? あいつ大げさだな?」とか「あいつ、ちょっと心配性すぎないかな?」って人がいたら、人知れずこっそりでもいいので相談に乗ってあげてほしいです。 もしかしたら…… の可能性もありますので。 自分でも原因が分からずに各種パーソナリティ障害のようなことをしてる人って、きっと悩んでると思います。でも、それがパーソナリティ障害という心の病気だと言うことが分かれば多少なりとも「病気のせいだ」ってことに出来てスッキリすると思うんですよ。 治療法はカウンセリングと向精神薬とか、周囲が本人に優しくサポートすること。 丹野も「からかってくる友達」はいたのですが、「相談できる友達」はいなかった様子。 現に「お前、のぼせ上がってるだろ? あまり女に熱上げるなよ」と、からかわれての警告はされていたんですよね。少しだけでもその友達が親身になっていればこの悲劇は避けられたかと思われます…… 
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