人間昆虫記 全2巻(1巻の場合あり)

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ちょっとしたあらすじ。 芥川賞を受賞した新進気鋭の小説家「十村十枝子(本名、臼場かげり)」。その授賞式が行われてる最中、同姓同名の臼場かげりと言う女性が首を吊って自殺してしまう。彼女は十村十枝子の元同棲相手で小説家のタマゴ。地位と名誉を手に入れた十村十枝子と、自殺した臼場かげりとの関係に疑問を持った週刊誌記者の青草は十村十枝子を偶然見かけ、尾行を開始するのであった…… この青草も手塚ワールドによくいる優秀なマスコミに該当するのか、アッサリと十村十枝子の懐に入り込むことに成功する。その過程で十村十枝子に才能(演出)を模倣され劇団を追放の目にあい全てを失った犠牲者の蜂須賀に「十村十枝子に関わるな」と警告をされるも、好奇心は猫を殺すままに警告を無視し、十村十枝子への取材を続けるのであった…… 青草は十村十枝子と一夜を共にし(懐どころか中に入っちゃったよ! ヲイ!)芥川賞受賞作の人間昆虫記は臼場かげりの小説の才能を模倣し書いたものだと言うことを突き止めた。 まぁ…… 名探偵コナンの「包帯男」の事件の動機と同じと思って貰えれば有り難いです。パクリではないのですが、パクリ。模倣した才能で同じ小説を書いて先に発表しているので「盗作」にあたらないところ「包帯男」で首チョンパされた人よりはマシな神経してるかも。 例によって青草は「知りすぎた」ことで十村十枝子が雇った殺し屋の蟻川に殺されてしまう。実は臼場かげりも「盗作(ではありませんが、一応この言い方させて下さい)」の件を十村十枝子に問い詰めたところ、殺し屋に殺されてしまったと言う事実が発覚。 才能盗まれて身の破滅程度で済んだ蜂須賀が幸運に思えてきたぞ…… 十村十枝子であるが…… かつて水野と言う新人デザイナーと男女の付き合いにあった。十村十枝子はこともあろうに水野からデザイナーの才能を模倣し、その模倣したデザイン技術で作品を発表したところ、ニューヨーク・デザイン・アカデミー賞を受賞してしまう。 これには水野も大激怒。二人は当然破局。だが! 十村十枝子は水野のことが忘れられずにいるのであった。 自分のせいで水野のデザイナー人生を破滅させたと言うのに…… 破滅させた後も水野を愛し続ける十村十枝子の精神構造はどうなっているのだろうか。宇宙の帝王ゴアが子供たちに好かれていると思い込んでいるのと似たような何かを感じたぞ…… 尚、水野も十村十枝子のことは忘れられないのだが、デザイン技術を模倣された怒りの方が強く十村十枝子を突き放してしまう。そのような訳で、仕事先の金文社長に紹介された女・しじみと結婚するのであった。世の中には同じ顔が三人いると言うだけあって、しじみの顔は十村十枝子と瓜二つであった。
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