どろろ 全3巻(4巻の場合もあり)

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ここを読んでいる聡明な皆様なら必要ないとは思いますが、ちょっとしたあらすじ。 時は室町末期、父親・醍醐景光の野望の代償として48の身体の部位を魔物に奪われた状態で誕生した百鬼丸が、戦争(いくさ)と貧困で両親を奪われたコソ泥の少年どろろと共に、自分の身体を取り戻すために魔物を倒す旅をするのであった…… タイトルにもなっている「どろろ」とは、百鬼丸の刀が欲しくて欲しくてたまらないコソ泥の少年の名前。一緒にいる理由は「百鬼丸が妖怪に殺された時に刀を盗みたいから」と、言った感じ。先述のように単なるコソ泥。これをタイトルにする手塚先生のセンスは異常。 これが当時の子供たちに理解されなかったのか、後に作られたアニメは「どろろと百鬼丸」に改題。 旅を進めて行くうちにどろろが百鬼丸のピンチを救うかけがえのない相棒(サイドキック)になって行くんですよ。これを考えるとこの物語は「百鬼丸」と「どろろ」の成長物語が本質なんですよね。 PS2版のゲームをやっていると顕著なんですが、この「どろろ」と言う話は実にゲームっぽい。魔物に奪われた48の身体の部位を取り返していくところなんか実にゲーム。 身体から48の部位を奪われていると魔物と戦うどころではない、生きていること自体が不思議なのですが、育ての親である医者の寿海(この名前、2019年のアニメ版で初めて決まったんですよね、1969年の白黒版では寿光)が義肢の接続手術を行い、五体不満足ながら五体満足以上の状態にまで回復。義手に刀、足に酸性の水鉄砲、鼻に爆薬…… この辺り実にガッツ。聴覚は「テレパシー」でどうにかしてる…… らしいけど、作中明確に喋ってるよね百鬼丸、テレパシー+腹話術で口動かしてる設定なんですけどね。寿海のことを「パパ」と呼ぶのが最高に手塚先生イズム出てるw 火の鳥の未来辺りに出てきそうなサイボーグ技術ですよね…… それを成し遂げる寿海先生って何者? スターシステム上はブラックジャックの本間先生なので火の鳥の猿田一族かと思ったのですが、鼻が大きくないんですよね。百鬼丸が里帰りして、初めて見る寿海の顔は鼻が大きく膨らんだものだったって可能性もありますが…… PS2版のゲームだと身体の部位を取り戻す度に「強くなる」のですが、原作とアニメは「慣れない感覚」が戻ってくるので逆に弱くなるんですよね。特にアニメは自他共の「痛覚」にピックアップしたせいで弱体化が表現されてるのが評価高い。
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