どろろ 全3巻(4巻の場合もあり)

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先述のようにどろろの舞台は室町末期。群雄割拠の戦国時代真っ盛り、織田か武田か毛利か伊達で争っている状態。トップの筈の足利義昭も「ノッブ怖い」って京都だったか紀伊だったかに隠遁生活してる状態。室町幕府なんざ形だけで存在しないも同然。 醍醐景光は生まれてくる自分の息子を魔物に捧げて天下取りたかったらしいのですが、先述の群雄割拠の時代で何やっていたのだろうか…… 作中で見る限りだと大名っぽい。これから魔物の加護を得て名だたる戦国武将に戦いを挑むのだろうか…… 醍醐景光の立場は富樫政親に士官する武将。あれ? 大名でもないのに天下取り? 斎藤道三みたいな下剋上でも狙っているのかな? 富樫政親は加賀の大名、敵対勢力は越前の朝倉義景(どろろが北陸地方の話だったことに初めて気がついたw) 現状では富樫政親の部下が身分不相応に天下取りを考えているだけ。こう考えると醍醐景光が急に情けない奴に思えてくる。 さて、魔物の力を手に入れて下剋上でもするのだろうか? 富樫政親の筆頭家老に昇進しただけ。下剋上の下準備として出世しただけなのかもしれないけど「ばんもん」「ぬえ」編に出てきた醍醐景光の悪逆非道ぶりを見てる限りだと、下剋上もせずに農民に悪政敷いてる中間管理職の悪辣一武将にしか見えない。 朝倉義景は名将。富樫家は長年朝倉家と戦ってたって言うけど、実はかなり押されていたのではないだろうか。朝倉家と言えば隣国北近江の浅井家とも同盟を結んでおり、困った時は助けてくれる関係。浅井・朝倉同盟は不意打ちとは言え織田信長討伐寸前までいった益荒男達、戦力としてはかなり強力です。こんな朝倉家相手に富樫家はどんな戦い方をしていたのだろうか…… 魔物の加護付きの醍醐景光が頑張っていたとか。しかし、天下を取る力というならもっと強力であるべきだと思うのですが…… 案外、魔物の力って三好長慶が成し遂げた天下統一ぐらいの力しかないのかも知れませんね。 ※三好長慶の天下統一。戦国時代における天下は近畿地方周辺だけのことを言う。近畿地方の統一を成し遂げた三好長慶こそが、豊臣秀吉よりも先に天下人になったとされている。
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