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洗礼 全6巻(文庫版は全3巻)
漫画・アニメ・小説・映画などでよく見る「入れ替わりモノ」皆さんは何が思いつきますでしょうか。
元祖は平安時代の「とりかへばや物語」になると思います、それ以降の入れ替わりは全部これの派生みたいなものですよね。入れ替わりにもパターンがあって「フリ」だけしてたり(∀ガンダム とか)、魂が入れ替わったり(君の名は おれがあいつで、あいつがおれで とか)、顔だけ入れ替わったり(フェイス・オフ とか)。いっぱいパターンはあるけど、脳の入れ替えはあんまり多くないイメージがあります。私もパッと閃いたのがブラックジャックの人間と馬の脳を入れ替えての入れ替わりぐらいしか思いませんでした(手塚先生もあれは『ギャグだから出来る』と言ってるぐらいですw)、後は秋本治のMr.Chrisぐらいだろうか。
私が次に閃いたのは、楳図かずおの「洗礼」この作品、楳図かずお作品の中でも恐怖が別ベクトルなんですよね。へび女や赤んぼ少女みたいな怪異的な怖さでもなく、14歳や漂流教室のようなSFチックな怖さでもなく、ただ人間の怖さ一点突破。女性の美に対する希求と愛を貫き通す姿を描くだけでこんなにも怖い話になるのかという作品。
ちょっとしたあらすじ。かつて美貌を誇った大女優、若草いずみ(本名・上原松子)も寄る年波から来る加齢の上に、子役時代からの厚化粧と強いライトでシワとシミが増え大きな痣も出来、かつての美貌はなくなっていた。若さと美を失ったことで精神に異常をきたしていた若草いずみは主治医の村上の勧めで「女児を出産し、その娘に自分の脳を移植する」と言う狂気を極めた計画を企てる。
脳の取替えは成功、若草いずみは実の娘である小学生・上原さくらとして第二の人生を歩み始めるのであった……
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