序章:望み

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 ーー拠点EⅨ、ノーマルーー 『残存部隊は全て撤退……全機、帰還してください』  ローヴィの重苦しい指示が入る。辺りを見渡すと燃える木々や砲台、崩壊した議事堂に加えて建屋がモニターに映った。 『……今回のことで多少は世界が動くんでしょうか?』 『多少のレベルではないだろうな。先導者を失ったことでボヤは起こるだろうが、かなりの鎮圧効果はあるはずだ』  ディイスとエームの言葉にシェスはうつむいたまま動こうとはしなかった。  するとブシ・センゴクから通信が入る。 『少年。自身の意志を変えないことがどれだけ難しいか、分かっているか?』  シェスは答えようとしたが、言葉は出ない。そしてハバンからも通信が入る。 『愚かであったとしても、貫かなければ結果は出ない。それだけは知っていろ』  そのままブシ・センゴク機とハイパー・Rも帰還を始める。  シェスは拳を握りしめて血反吐を吐くように声を荒らげようとした、その瞬間であった。    全てが()えたのは。
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