エーム・ウェル

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ーー孤島、リーヴァス・改ーー  衝撃と痛みはエーム自身に届いていた。リーヴァス・改はそのまま地面に叩きつけられる。バックパックが損傷し、黒煙を上げる中、エームは操縦桿から手を離した。同時にクローズ・シェリングも落下していった。 「……シロ、ハ」  小さく名を呼んだ声はシロハに届いていた。その上でシロハは言葉を重ねる。 『馬鹿! 馬鹿馬鹿! 私はこんなの望んでなんかない!』  言いながらシロハは咳き込む。立っていることもおぼつかない状態で必死に訴える。 『体がおかしいなって分かってた! 悪いのはそれをクルナ先生に言わなかった私のせい!』 「それを、俺が」 『天才のクローンだから!? 大切なのは証拠!? 違うよ! ここまで酷くなったのは全部、私のせいだもん!』  エームは言葉を失う。同時に、リーヴァス・改も機能を停止した。
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