エーム・ウェル

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ーー孤島、イーグル・ハイパー ーー 『じゃあ、シェスは残るの?』 シロハをすぐにサンニアへ運ぶため、ミリィはイーグル・ハイパーを牽引しようと提案したが、シェスは孤島に残ると返していた。 「あの馬鹿野郎に言っとかねぇとな。それに運ぶのにコックピットの中に入れたら二次感染が起きる。あとよ」 シェスは舞い上がる粒子に対して言及する。 「これが人の想いなら、機体の手でシロハを包めば変わるかもしれねぇ」 『……そうだね。いつまでこの光が出てくれるかは分からないけど、効果がないとも言えないもんね』  そのままミリィはシロハを包み、帰還していく。見送ったシェスは機体から降りてセリハの元に歩み寄る。セリハは泣きながらごめんなさいと言い続けていた。これにシェスはセリハの頭をなでる。 「もう自分を責めるな。お前も助けたいって一心で協力してたんだろ?」  セリハはこくりと頷く。これを見てシェスは起きてしまったことだと告げ、踵を返した。
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