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ーー海上、フィルウィー ーー
「ねぇ、ミリィ……聞こえる?」
ファクターの手に、光に包まれた中で私は静かに呼びかける。ミリィは優しい声で「なぁに?」って聞いてくれた。
「エーム、馬鹿だよね。私なんかのために、こんなことして」
たくさん咳をしながら、血を吐き出しながら。ミリィは静かに相づちをしてくれた。
「最初、エームと出会った時。私、首を絞められたんだ。だから、恐い人かなって思ったの。でもね? すぐに謝ってくれて、ずっとそのことを気に病んでくれて」
うん。うん。ってミリィは相づちをしてくれる。だんだん、涙声になっていくけど、静かに聞いてくれた。
「だから、こんなことをしたんだと思うの。頼んでもないのに。みんなを敵に回して、セリハもだけど、独りだけで何とかしようとして」
だんだん喋ることも辛くなってく。そしたら、光が眩しくなって暖かくなった。
「だか、ら。だから、ね? 私……」
その光のおかげでこの言葉が言えた。
「エームのこと、好きなんだって……分かったの」
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