序章:望み

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序章:望み

ーー全て、何もかもが……信じることが悪だと思っていた。  声が響く。その声は誰に語りかけているのではなかった。声の主もそれは分かっていた。だが、だからこそ声の主は言葉を連ねる。 ーー優れていることも。相手を知ることも。そして、この世に造り出したことも……。  声は罰を受けているような言い方をする。しかし、それは実際起こったこと。その全ての元凶であることも理解していた。 ーー……ファクター。だけど、それは因子に過ぎない。変えることはできる。彼が、彼らがその意味を理解してくれれば。  そればかりは声の主も知り得ないこと。世界がどう動くかも。ファクターの意味を知っているのかも。  全ては彼が望んだことなのだから。
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