推しメン。

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俺が推しメンと出会ったのは中学2年生のときだった- 「え!どういうことだよ…」 校舎裏で男子中学生、すなわち俺が声を上げる。 「だから、別れたいって言ってるの。私、彼氏できたから。」 俺に向かって女子中学生、すなわち俺の彼女はきっぱり言った。 「彼氏ってどういうことだよ?俺たち、付き合ってたんじゃないのか?」 「だから、良樹くんのこと好きじゃなくなったの。だって良樹くん、かっこいいけど一緒にいてもつまらないんだもん。」 「な、なんだよそれ…」 「じゃあ、そういうことだから。」 俺の彼女はそのまま立ち去って行った。 「まじかよ…」 俺は必死に自分の何がいけなかったのかを考えた。でも、わからない。彼女から告白されて、俺は彼女が嫌いじゃなかったから付き合った。彼女の言うことはなんでも聞いて、喧嘩なんてしたことなかったのに… 「これで3人目だな」 物陰から男子中学生が出てきた。この男は俺の友達、牧野司だ。 「司…」 「お前はさ、女子に期待させるからだめなんだよ。そんなイケメンな面で優しくされたらさ、誰だって期待しちゃうって。」 司は笑いながら言った。 「笑うなよ。てか、俺は別に期待なんかさせてない。」 俺は振られたことがショックでムキになって言い返した。 「まぁ、お前の場合は女を見る目がないのもある。お前の彼女になる女なんか、みんな惚れっぽくてどこか軽い女ばっかりだもんな。」 「で、でも普通に良い子だったし…」 「そこだな。お前、本気であの子のこと好きだったのか?」 司は探るような目で俺に言った。 「そ、それは…」 俺は口籠もった。たしかに彼女のことは嫌いじゃなかったし、別に特別すきでもなかった。元々はっきりしない性格の俺は流されるがままにOKしたが… 「やっぱりな。何事も断るのが苦手で誰にでも優しいのはお前の良いところだけど、恋愛面ではマイナスだ。」 司はそういった。 「お前の課題は、とりあえず恋を知ることだな。」 司はそう言って俺の肩を軽く叩いた。 「…恋ってなんだよ…」 俺は司を見て言った。 「恋に理由なんてないさ。なんかこう相手に対してビビッとしたものが湧き上がるっていうか…まぁ、俺は恋なんかしたことないけどな。」 司は微笑みながら言った。
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