推しメン。

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あれから数週間がたった…冬休みが始まって世間は年末でバタバタしていた。 「良樹!ご飯よ」 下から母親の声が聞こえた。勉強をしていた俺は階段を下って居間へ入った。居間のテレビではちょうど日本レコード大賞の発表が行われていた。俺は食卓に座りご飯を食べ始めた。 「続きまして今年の日本レコード大賞最優秀新人賞はー『ぷてぃミニョン』の皆さんです!」 テレビからそう聞こえた。「ぷてぃミニョン」?元々アイドルに疎かった俺は最優秀新人賞をとったとかいうアイドルを全く知らなかった。テレビに映ったそのアイドルはヒラヒラのスカートに可愛い服といった今時のアイドルだった。 「ぷてぃミニョンの皆さん、おめでとうございます。」 「ありがとうございます!」 グループのリーダーらしき女の子がトロフィーを受け取った。リーダーらしき女の子は自分と同じくらいだろうか。見た目が可愛いらしく声もとても高くて可愛い子だった。 「それでは、ぷてぃミニョンで『はちみつレモン』」と司会の人が言うと音楽が鳴り、彼女達は歌い始めた。俺はさっきのリーダーらしき女の子をずっと見ていた。歌って踊っている彼女はいつもニコニコ笑っていてまるでお人形さんのようだった。 「ぷてぃミニョン…」 夕食を食べ終わった俺は自分の部屋に戻りスマホでさっきのアイドルについて調べた。 「ぷてぃミニョン…通称ぷてミニ…去年結成したばかりのアイドルグループで結成1年目でメジャーデビュー。ファーストシングル『はちみつレモン』はオリコン4位になった…」 俺は、スマホに書いてあった文字を読み上げた。スマホを見ているとメンバーの顔写真と名前が出てきた。俺はさっきの女の子の画像をタップした。するとあの女の子の情報が出てきた。 「宮野莉奈…」 それが女の子の名前だった。 「宮野莉奈、現在16歳の高校一年生。愛称りなちゅん…そっか、りなちゅんか。」 俺はこの日からりなちゅん推しになった。
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