第1話 私の推し

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第1話 私の推し

「今日も尊いよぉ…むーくんっ//」 私の名前は、来美(クルミ)。 極々平凡な成人女性である。 平凡は嘘かもしれない。 なぜなら… 推しへの愛は平凡以上。 そう、∞だからだぁぁぁぁぁ! 私の推しむーくんこと平井睦月(ヒライ ムツキ)、人気アイドルグループ “ローズ・ベリー”のセンターである。有名アイドル事務所のスタプロ所属で、歳は今年で24歳。身長は180cm、体重は65kg(公式情報)。好きな食べ物は昆布ソーダー、嫌いな食べ物は人参。クールな性格をしているが甘いもの好き等ギャップ萌えで人気を誇っている。 まだまだ語り足りないがこれだと1時間以上は軽く超えてしまうので抑えておこう。 そんな、むーくんは今連ドラの「しゅわしゅわ☆青春パレット」の主人公として活躍している。 私はその連ドラを今リアタイで見てるところだった。 お相手の共演者は、今若者に超人気の大女優“藤堂マリア”である。 ビジュアルも演技も性格も全て最高な彼女が共演者でファンの私達は安心していた。(新人女優だった場合はどうなっていたのでしょうか…) 『私のことなんて放っておいてよッ!』 『うるせぇ、その口を塞ぐぞ』 『え…?』 『チュッ』 「ぎゃぁぁぁぁぁぁ」 キスシーンなんか、10年以上推してる私からしたらもう慣れっこだった。 今の発狂は、悲しいんじゃなくて… むーくんのリップ音が聞けることに対しての喜びの発狂だからね? 「あぁ…終わっちゃった…よしっ、呟こう。」 そう言って、私はスマホを取りだしツネッターで 〖むーくんの制服姿が似合いすぎてやばい…( ´ ཫ ` ) あと、最後のリップ音ッッ…最高ッ… #平井睦月 #しゅわパレ #今日は命日 #むーくんしか勝たん〗 ポチッと投稿をした。 よしっ、今日の任務は終了した。 (あっ!予約とったっけ?) 急いで、テレビを確認する。 そうだった。 見る前の8時間前にとってたわ。 安心した私は壁一面のむーくんポスターに向かって 「お疲れ様!今日もカッコよかったよ♡ 特に最後のリップ音は私死ねる♡♡」 「ありがとう(ムークンボイスデ)」 と、虚しく1人劇場をしてから眠りに入った。 (明日も仕事かぁ…でも、むーくんのために頑張らなくちゃ…)
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