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第3話 推しの手料理
私って前世、卑弥呼だったのかな…
それとも、徳川家康…?
とにかく、前世は世界を救ったんだろう。
今なら確信して言える。
だって、世界を救ったから今こうやって推しの手料理を食べれているんだ。
(まぁ、ドックフードなんだけど…)
記者『人生初ドックフードを食べてみた感想
は?』
私『ん〜、ドックフードでも種類があるんで
すが…私が食べたのはハンバーガー的な
感じですかね〜』
記者『朝からハンバーガーなんて胃もたれし
そうじゃないですか?』
私『ドックフードに籠った愛は胃もたれする
ぐらい重いです♡』
そんなことを脳内で1人劇場をしていた。
そしたら、我ら愛しのむーくんが…
「美味しいか〜?」
とか言ってきて、もう死にそう( ´ཫ`)
私の人生の中で1番美味しいご飯でした。
(ドックフードだけど。)
犬ってお皿をよくぺろぺろ舐めるけど…
その気持ちがようやく分かった気がする。
だって、推しの家にある皿だよ!?
これはもう舐めるしかない。
犬に転生して良かったぁ…
もし、これが恋人や友人、マネージャーだったりしたら…
私はただの変態にしか過ぎない。
(いや舐めたいという気持ちで舐めてるのはもう変態かと…)
「そんなにお皿ぺろぺろして…まだ欲しいのか?」
仕方ないなぁと苦笑しながらも私におかわりを付け足してくれた。
いや、ドックフードは欲しくないんですけど…。ただ、お皿を舐めてたいんです。
そんな私の願望もむーくんには届かない。
仕方ない。
食うか。
私は朝ご飯だけど、これが最後の晩餐になるのではないかと不安になった。
美味しいか美味しくないかで答えたら…
クソまずい。
でも、大好きな彼の顔を見ながらの食事は人生の今までの中で1番美味しいと感じられた。
やっぱり、これが最後の晩餐かもなぁ…
「みるく!そろそろ僕、仕事行ってくるね〜」
え、今、僕って言いました?
一人称は俺じゃなかったのっ!?
プライベートと仕事を完全に分けてて素敵ッ
ギャップ萌えに拍手喝采👏
っていうか、仕事行っちゃうの!?
私、どうすれば良いんだ!?
「ギャンギャンギャン」
私は、この一時を続けたくて、一生懸命止めたが…
「みるく、どうした?こんなに吠えるなんて珍しいね笑」
そう言われた時、私はハッとした。
吠えるのは、むーくんにとって迷惑だ。
“良い子にならなくちゃ”
よし、私は止める(吠える)ことをやめて…
むーくんの支度を見守っていた。
「みるく、今日は情緒不安定の日なのかな?」
と、ニッコリした顔でむーくんに言われた時はイケメン顔すぎてとりあえず4んだ。
「じゃあ、行ってくるね〜!」
そう、元気よく扉の前で手を振る推しの姿に私は姿勢よく敬礼をしていた(つもりで本当はお座りしてます)
名探偵コナ○にある扉のギィィィパタンッっていう音を立てながらむーくんは外に出ていき、扉は閉まってしまった。
よしっ、私のやることは終えた。
さぁ、これから何をすればいいんだ…?
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