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第4話 何をすればいいの?
前回のあらすじっ!!
推しである平井睦月(むーくん)のペットとして転生した私は、むーくんを仕事から見送ったのであるっ!
以上!!
さぁ、私はこれから何をすれば良いのでしょうか…?
これは夢じゃない気がする。
多分、現実だ。
とりあえず、私の家に行こうかなぁと思う。
今の私は何をしているのか気になるからだ。
でも、スマホも何も無い私はむーくんの家から私の家までどうやって行くか悩むところだ。
(第一、犬だし車や電車も使うことが出来ない)
どうしよう…
悩んでいたら、タイミングが合いインターホンが鳴った。
こんな、平日の朝から誰だろう?
私は頑張って誰がいるのか覗こうとした。
ガチャガチャ
鍵で開ける音が聞こえる。
え、、?泥棒?それとも、やばいファン?
もしかして…同居人…?か、、彼女さん…?
私は嫌な予感がして、脳内は軽くパニックだった。
「こんにちは〜!平井睦月さんいますか?」
入ってきたのは、私服姿の女性の方だった。
あ、、やばい…私泣きそう…
むーくんに彼女がいるのは当たり前だ。
だって、カッコイイもん…。
でも、こんな結果で知るなんて嫌だったなぁ…
もう、病みそう…、
そう思いながら、私はその女の人を眺めた。
綺麗な人だなぁ…。
流石、むーくん笑
乾いた笑いをしたが、心はもういっぱいいっぱいで苦しかった。
「あっ!みるくちゃん久しぶりっ!」
彼女さんはニッコリ笑った。
わぁ…笑った姿がお似合いのカップルですこと…。
この時の私の顔はどんな感じだったんだろう。
嬉しさと悲しさと憎さと羨ましさで変な顔をしてたに違いない。
だけど、私は犬だからこんな変な顔をしなくて済んだのだ。
ありがとう、みるくちゃん…
そう、心の中で感謝していた時だった。
「じゃあ、お散歩行こうか〜♪」
彼女さんは私に首輪を付け始めた。
え、嫌なんですけど。
「ギャンギャンギャン」
推しの彼女と散歩なんて嫌すぎるっ!!
私は必死に抵抗した。
「あれ?みるくちゃん、いつもなら散歩楽しみにするのに、どうしたんだろう…具合悪いのかな…?」
彼女さんは、心配した顔で私を健康観察しだした。
もう、やめて…
私のライフはとっくに0なのよ…
彼女さんの美しい瞳をめっちゃ見つめながら訴えた。
そしたら、彼女さんは私に異常がないと悟り…スマホを取りだした。
『もしもし?平井さんですか?ペットシッターの中川です。みるくちゃんが今日おかしいのですが…心当たりはありますか?』
え?今、ペットシッターって言いました…?
待って、彼女さんじゃなくてペットシッターだったの!?
しゃぁぁぁぁぁ!
私は心の中で叫びまくり、発狂もした。
あっ、そんなことしてないで…
私が元気なことを証明しないとっ!
「キャンキャン」
リードを咥えて私は笑顔で散歩をオネダリした。
『はいはい…なるほど…!あっ、今元気になりました!確かに、情緒不安定なのかもですね〜笑じゃあ失礼します〜💦』
そう中川さんは伝えて、私に
「元気になった?じゃあ、お散歩行こうかっ!」
今度こそ、純粋な笑顔を向けて私に首輪を付け始めた。
綺麗なお姉さんとお散歩なんて、会社で働くより随分マシだ。
犬に転生できて良かったわ。
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