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第5話 推しの家
私と同じ歳ぐらいなのに…
中身と見た目が全然違いすぎる…
花のような綺麗な顔立ちに天国から舞い降りた天使のような性格。
はわぁ…こんな人と散歩に行けるなんて最高です…うへへ…
散歩に行く前、ペットシッターである中川さんがどんな人なのか考えてみた結果がこれだ。
中川 麗奈(ナカガワ レナ)さんは多分私と同じぐらいの歳で、ペットシッターをやっている。
容姿は、ウェーブのかかった茶髪のロングで澄んだ緑色の瞳を持っている。
私と遊ぶ時は、髪を一つに束ねてポニーテールする。それがすごい雰囲気が変わって可愛いんだよッ…!!
「じゃあそろそろお散歩行こうか〜!」
中川さんが、優しくニッコリ話しかけてくれた。
✄---------------外へ---------------✄
リードを付けて、私達は外に出た。
「ん〜!良い天気だねっ」
彼女は太陽が照る青空を眩しそうに見る。
私はその瞬間を見逃さなかった。
彼女は青空を見たその一瞬だけ、リードを持つ手が緩んだ。
よし、今だ。
中川さんには悪いけれど…
私は思い切り中川さんから離れようと振り払い、超ダッシュで逃げた。
「えっ!?みるくちゃんっ!?」
やっぱり、思っていた通り。
中川さんは綺麗だけれども…短所として、おっとりしている気がした。
こんな短時間で人の長所と短所を見つけられるなんて私天才かもっ!?
そんなくだらないことを考えながら、私は周りの家を見渡した。
むーくんの家は、住宅街に隠れていた。周りはとても普通の家ばかり。
だけれども、むーくんの家だけは周りと違い華やかさもあり高級さもあった。
って、、待てよ?
ここ、見覚えあるんだけど…
そう、そこは私の家から徒歩2、3分にある住宅街の1部だった。
要するに、私とむーくんはご近所さんだったということだ。
は…?いやいや、要するにって言ってもよく分からん。いや、理解出来ない。したくない。したら負けたもんだから。
待って無理無理無理…
私、元に戻れてもソワソワして普通に生活出来ないって!
だって、推しが近所に住んでるんだよ!?
幸せ通り越して、呪われるんじゃないかって怖くなってきた。
なるほど…よく、ここの家豪邸だなとは思ったけれど…むーくんの家だったのか。
納得したわ。
表札は急いで逃げたからよく分からないけれども、豪邸だし、帰ることには帰れるだろう。
私は安心して、自分の家に向かった。
ボロボロのアパートが見えてきた。
そう、これが我が家。きっと改築すれば可愛くなるであろうピンクの壁は薄汚れていて、掃除すれば綺麗になる庭は雑草がボーボーだった。
私は自分の部屋の窓チラッとを覗いた。
※来美は特別な訓練を受けているため覗いててもセーフです。しかし、皆さんがやると犯罪になりますので決して真似しないでください。
何とそこには…
“来美”がいた。
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