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第7話 帰り道
みるくちゃんは、良い人(犬)だったんだ!良かったぁ〜!
流石、むーくんのわんちゃん(。・ω´・。)ドヤッ
一安心した私は中川さんのことを思い出した。
「あっ!みるくちゃんっ!助けてぇぇ!」
「ん?何よ…?」
面倒くさがりなのかな…嫌そうな顔で…でも話は聞いてくれるみたいだ。
「あの…帰りたいんだけれども…ペットシッターの方に心配されてると思うから事情を適当に説明してくれない?」
「あ〜麗奈さんよね?確かに、あの優しい人なら心配かけちゃうわね…」
やっぱり、中川さんはみるくちゃんにも好かれてたんだなぁ〜
まぁ、あの人柄だもんな。
と、1人で納得しながら私達は外に出た。
✄---------------中川さんの元へ---------------✄
「みるくちゃんッ!」
“心配したんだよ〜”と涙ぐみながら、話しかけてくれた。
“ごめんなさい”という気持ちで私はぺろぺろと舐めた(犬としての行為だからね☆)
「あの…この子、迷子になってたっぽくて、飼い主の元が分からなくて色々な人の所へ回ってたんです…💦」
これが私達の考えた言い訳だった。
「ありがとうございますっ!私も二度とペットが逃げないように気を引き締めます!」
中川さんは綺麗に90度お辞儀をみるくちゃんに向けてする。
「いえいえ、全然っ!あの、、宜しければ私も時々この子に会いに行って良いですか?」
そう、これも作戦。こうすることで、どうやって戻るか話せるからだ…!
「全然良いですよっ!むしろ、助けてくれたお礼ということで…」
「助けてくれた…?」
「はいっ!私、みるくちゃん逃がしちゃったら飼い主様に絶対殺されますから」
え…?何で真顔で答えるの?まさか、冗談で言った感じじゃない系…?
え?むーくん怖っ…そんなにみるくちゃん好きなんだ…
そんなにみるくちゃんを好きなのが可愛くて愛おしさも感じるけれど、少し嫉妬してしまう。
私はチラッと本人を見ると、みるくちゃんは案の定頬が緩んでいた。
「えっと…お名前お伺いしても宜しいですか?」
頬が緩んだみるくちゃんを不思議に思ったのだろう。中川さんは話を変えようと名前を聞いた。
「あっ…」
あ、これ私のフルネーム知らない系か…
「キャンキャン(来美だけでおけ)」
「来美って呼んでください!」
「分かりましたっ!私は中川麗奈って言います〜!麗奈で全然良いですからねっ!」
私と中川さんは歳が近いからこそ、仲良くなれるのかもしれない。
仲間外れにされている私はそんなことを考えてた。そしたら、白マスクとサングラスを身につけいかにも芸能人オーラが出まくっているむーくんが帰ってきた。
「あっ!おかえりなさい、平井さん!」
中川さんはいち早く気付き、むーくんの手荷物を受け取り、私をむーくんに渡した。
あぁ…美男美女に囲まれて幸せやなぁ…
ここに自分(みるくちゃん)がいることは知らないフリをして、受け渡されているほんの少しの時間を楽しんだ。
「この方は…?」
テレビでよく見る睨むような目付きでみるくちゃんを見る。
「あっ、こちら来美さんっ!みるくちゃんのお散歩中に遊んで下さったんですっ」
「そうだったんだ…ありがとう、来美さん」
無表情のままだけれども、私の名前を呼んでくれたぁぁぁ!待って、死ぬ死ぬ死ぬ…()
みるくちゃんは複雑だろうなぁ…
いつ、裏切られてもおかしくないよ!
だって、大好きご主人様が目の前にいるのなら“私がみるくだよっ!”って言いたくなるじゃん…なんか、そこは申し訳ないよね…
勝手に罪悪感を感じていた来美なのでした。
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