お弁当箱

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ガチャッ…玄関の音、11時。 「大樹?何時だと思ってんの?何か問題起こしたら推薦してもらえないよ!少しは自覚しなさい!」 「はぁ?るせえなぁ、大体俺大学行きたいなんて言った事ないじゃん」 「はぁ?何言ってんの?高校出たら大学行くでしょ普通」 「普通ってなんだよ…もう少し自分の子信じてくんないかなぁ?俺普通だけど!あれしろころしろっていちいちさぁ」 「言われたくなかったらちゃんとしなさいよ!」 「ちゃんとって何だよ!母さんの物差しが全てじゃないんだよ!」 「えっ?」 「友達の母さんとかはさ、働いてたりしていて色々んな人と接してるからちゃんとわかってくれてるよ!18の男として…。卒業控えて将来考えてないわけないだろ?母さんは俺の気持ち考えた事あんのかよ!」 あまりの騒ぎに夫が口を出して来た。 「大樹はやりたい事があるんだって、専門学校行きたいんだと…」 「えっ?そんなの聞いてない」 「聞いてないんじゃなくて、聞く耳持たなかっただろ?俺が『あのさ』って言ったって夕飯作るの間に合わないとか言ってさ」 「・・・・・」 夫が静かに「改めて話そうか、今日は風呂入って寝なさい」と言ってその場は収まった。
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