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次の日のことである。優樹は、茜を公園のベンチへと呼び出した。
「優樹さん? 浮かない顔してどうしたの」
「茜ちゃん……あの、あのね……いや、なんでもない」
「えぇ? 何? なんか変よ。本当にどうしたの。何か悩んでることがあるんだったら私に相談してよ。こう見えても優樹さんのフィアンセなんだから」
ベンチに座る優樹は、茜の隣で俯き、じっと地面を見つめている。目の下の隈が彼の悩みの深さを物語る。
「茜ちゃん、ごめん。僕と別れて欲しい」
「…………」茜は首をかしげる。
「えっと、良く聞き取れなかったな……。なんか聞き間違えちゃったみたいで、へへ。どうしちゃったんだろ私。ごめんなさい」
「聞き間違えじゃない。僕に……二度と近付かないで欲しい! 本当にごめんっ」
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