45人が本棚に入れています
本棚に追加
「いつもの優樹さんではなかった……何かを決める時は、いつだって私に相談して二人で決めていたの。でも、一方的に別れるって……」
茜はその時の様子を全て朱崋に話した。時折相づちを入れ、朱崋は聞き手に徹した。
すると茜は、幾分落ち着きを取り戻す。深く深呼吸をし、ゆっくりと吐き出した。
「ああ、朱崋ちゃんに話してだいぶ楽になったわ」
「もしかしたら、茜さんにも言えないような事情を抱えているのかもしれないよ。もし連絡が取れるなら、勇気を出して聞いてみたほうが絶対いいよ」
「……うん。そうだね。私、今やれることをやってみる」
「そうだよ! 茜ちゃん」
「あ。茜ちゃんって呼んでくれた。へへ、嬉しい!」
「あ、思わず! ふふ、私も嬉しい」
二人は、小さく肩を揺らした。
最初のコメントを投稿しよう!