先生の秘密

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「いつもの優樹さんではなかった……何かを決める時は、いつだって私に相談して二人で決めていたの。でも、一方的に別れるって……」  茜はその時の様子を全て朱崋に話した。時折相づちを入れ、朱崋は聞き手に徹した。  すると茜は、幾分落ち着きを取り戻す。深く深呼吸をし、ゆっくりと吐き出した。 「ああ、朱崋ちゃんに話してだいぶ楽になったわ」 「もしかしたら、茜さんにも言えないような事情を抱えているのかもしれないよ。もし連絡が取れるなら、勇気を出して聞いてみたほうが絶対いいよ」 「……うん。そうだね。私、今やれることをやってみる」 「そうだよ! 茜ちゃん」 「あ。茜って呼んでくれた。へへ、嬉しい!」 「あ、思わず! ふふ、私も嬉しい」  二人は、小さく肩を揺らした。
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