先生の秘密

35/67
前へ
/283ページ
次へ
「優樹さん! ゆ、う、き、さんっ。もしもーし」  徐々に、優樹の焦点が彼女の顔へ合わさりにいく。 「あ、あれ? (ゆかり)ちゃん? ここは……」  優樹は店内を見回す。 「僕は……どうしてここにいるんだ?」 「優樹さん、歩道橋の上から飛び降りようとしてたのよ! ちょうど私が通り掛かって、引き止めて、とりあえず近くの喫茶店に来たの」 「そうだったんだ……心配かけてしまったね、すまない」  優樹はまた俯いて、塞ぎ混もうとする。 「あ、ねえ優樹さん。ケーキセット食べようよ。甘いものでも食べれば、少しは元気がでるかもしれない」
/283ページ

最初のコメントを投稿しよう!

45人が本棚に入れています
本棚に追加