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しまった、不意打ちされた気分だ。この子が隣にくるの? 何か面倒臭いなぁ。
転校生が、席に向かって真っ直ぐに歩いてくる。近くで見るとかなり背が高い。
百七十五センチくらいはありそうだ。私が小さいから余計だ。
「どうも、よろしく」
そう言った転校生は、私をじっと見つめている。私は言葉で返さず、顎を突き出すように頷いた。
「金城さんは、強い精神力を持ってるね」
「は? ちょっと何言ってるか分かんないけど。それと『いずな』でいいよ。私の呼び名」
「了解」
彼は親指を立て、スマイルする。何なの? あぁ、面倒な兆しを感じる。
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