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月野瀬から部屋に通された信哉が姿を見せると沙羅は状況を理解したのか顔が引きつった。信哉も何故という顔から次第に顔を硬直させていった。
「その顔ですと状況は理解されたようですね。実は、二人の状況を知りどうしたものかと悩んでいたところ、偶然にも里桜さんがうちの社員になったんです。里桜さんにはこの1ヶ月色々と相談していました」
「え? どういうことですか? 里桜に何を相談していたんですか?」
信哉はあくまで白を切るつもりらしい。
「すみません。たまたま沙羅と信哉さん二人が映っている写真を見てしまって。知らない人が映っていてもSNSに平気で乗せちゃう人がいるんですよね。あれダメなんですけどね。困ったものですよ。まあ、そのお陰でお二人の関係を知ることができたんですけどね」
月野瀬は嘘が上手で真実を知っている私ですら本当かと思ってしまう。
「何を言っているの? 私達は学生の頃の知り合いで、別にやましい事なんて」
「ごめんね沙羅。直接聞いても沙羅は白を切るかもしれないと思ってちゃんと調べたんだ。それで思ったんだけど、沙羅は彼と上手くいっているみたいだし、俺よりも彼を選んだ方がいいと思う。俺は沙羅を不安にさせるだけだから」
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