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プライベートでゲームアプリを開発してそれが形になった時、俺は彼に声をかけ、今度は経営のイロハも教えてもらった。
ニートだった間は誰も俺に声をかけてこなかったが、再び起業し注目を浴びると、女も大人も俺にたかってきた。沙羅もそれと同じだ。
顔がそこそこよくても髪はボサボサ、手垢で汚れた眼鏡をかけた薄汚れたニートは誰も相手にしない。身なりを整え、お金と地位があってこそ、この顔は意味を成す。話がつまらなくても、話についてこれなくても女は楽しい素振りを見せる。高価なプレゼントを貰い、ハイステータスを味わうために。
女は俺に媚びてくる。それなのに、冴木里桜は違った。俺と二人きりになれても喜ばない。終始不服そうな顔をしながら俺が沙羅を抱かないことに対し何か誤解して全てを見据えた顔になった。
喜ぶどころか俺を慰めようとするその表情に刺激され俺は思わず彼女にキスをした。熱いキスをした後、これからだというときに冴木は「まあまあでした」と言い放ち、俺が拍子抜けした隙に腕からすり抜けて帰っていった。
彼氏に浮気されていたことを伝えても、あっさり乗り換えられても動じない。
あの女は一体……
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