9人が本棚に入れています
本棚に追加
/105ページ
「まあ、そういうな。いいプロジェクトに招かれるのも実力の内だ」
「けっ」
間宮はつまらなそうに横を向いた。
「でも、例えコンペに負けたとしても、間宮さんに実力があることが分かったんなら、アカウントプランナーとして契約しても良かったんじゃないですか」
「そういう考え方もあるな。実際に間宮には、藤田さんのグループからアカウントプランナーとして契約のオファーがきたんだろう」
「藤田さんって、事業プロデューサーですか?」
「そう、竹本さんと並ぶ大プロデューサーだ。竹本さんと牧野さんの後を争っている」
「どうして間宮さんはその話を断ったんですか?」
「私は、渡瀬さんのチームが良かったの」
間宮が怒りながら言った。
「渡瀬さんって、結婚してますよねぇ」
「若いのに白けるねぇ、何年か前に不倫は文化だとか言った芸能人がいたじゃん」
「馬鹿、そんなんじゃないわよ」
間宮は怒っていた。
「私は、渡瀬さんの優れた発想の下で働きたいの。それだけの理由よ」
「それ白けるなぁ」
「あんたの頭だとそう思っちゃうよね」
間宮と戸田が半分冗談ながら言い争ってる。
でも真唯は間宮が渡瀬に好意を持っていることに、気がついた。真唯は仕事よりもこういう話の方が頭が回るし、観察眼も鋭くなる。
最初のコメントを投稿しよう!