第3話 二番目の女

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 電話が鳴って、現実に戻った。電話は母からだった。今日の式が良かったとか、優しそうな旦那さんで良かったとか、どうでもいい話が続く。  気分的にそれどころじゃなかったので、適当に相手をして電話を切った。  それにしても、昔の話を鮮明に思い出すものだ。  結婚すると、何か脳に特別な作用が加わって、記憶が鮮明になるのか?  懐かしさと虚しさが半々に織り交ぜられ、私は複雑な気持ちのまま、今日の夕食の支度にとりかかった。
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