第4話 止まらない恋心

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 ワルキューレの騎行が高らかに流れた。戸田の着メロだ。 「もしもし、ああいいよ」  短い会話だが、真唯の心に不安がよぎる。  田園都市線で、真唯の住む桜新町と戸田の住む用賀は隣駅だ。電車が桜新町に着くと、真唯は一人でホームに降りた。  戸田を乗せた電車を見送りながら、寂しさと不安が胸を締め付ける。帰ってもとても寝ることなんて無理だ。  真唯はホームから去らずに次の電車を待った。 (このまま戸田の家まで行こう。行ってしまえば戸田は許してくれる)  真唯は覚悟を決めた自分を偉いと思った。  途端に心がウキウキしてくる。  用賀の駅から戸田の家に行く途中で、コンビニに寄って簡単なつまみと酒を買う。  戸田の部屋は明るかった。どこにも寄り道しないで、帰ったみたいだ。  エレベータを降りて戸田の家のドアを前にすると、心臓の鼓動が強く成り始めた。  今日は思いっきり抱かれよう。  ウェットな気分に支配されて、真唯は思い切ってインターフォンを押した。 「あれ、どうしたの?」  戸田が驚いていた。 「どうしても一緒にいたくなって」  インターフォンの先で戸田が黙る。  歓迎してもらえると思っていた真唯は、思いと違う対応に不安を感じ始める。
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