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「何をやってるんですか？」
新庄は大きなモニターを二台並べて、デスクトップパソコンに接続していた。
「いや、仕事をする環境を作ってるんだ。ノートパソコンだけでは効率が悪いんでね。ああ、君のも発注しておいたから、梱包を解いといて」
私の席の背後に大きな段ボールが三つ置いてあった。私は机からカッターナイフを取り出しガムテープを外し始める。
とりあえず、ディスプレイを取り出しデスクに配置し、デスクトップを置く。配線はよく分からないので、電源だけつないで後は放っておいた。
真唯は新庄の分も合わせて段ボールを畳んでいると、ソファで寝ていた真野が起きて来た。
「おっ、本格的に組みましたね」
真野は目をキラキラさせて、私たちの新しい環境を見ている。そう言えば、デスクトップＰＣを使っているのは、真野とデータアナリストの三宅さんだけだ。今日から私たちもその仲間に加わることになった。
「ツインモニターですね」
「ああ、横に長い表が多いし、二つのデータを比較しなきゃいけないし必須だね」
「おっ、ＮＶＩＤＩＡの最新鋭のグラフィックカードですね」
「イラストレーター動かすのに、このぐらいのスペックは欲しくてさ」
「新庄さんも待てないタイプですね」
二人が嬉しそうに話してる姿を見ながら、真唯は急に外国に連れ去られた気がした。それにしても普段無口な真野が、こんなに饒舌とは思いもよらなかった。
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