第6話 思い出の女

5/6
前へ
/105ページ
次へ
「そんなこと言って、新庄さんのアシスタントの真唯さんも大人気じゃないですか。ほら本田さんも茂木さんも両隣をキープして離れませんよ」  沙也に指摘されて、裕二も秋山を見た。確かに本田と茂木がぴったりとくっついて離れない。顔の表情だけ見るとかなり真剣そうに見える。  二人とも三十手前でかなりいい仕事をする。さすがは藤瀬が選び抜いて他のチームからスカウトしたメンバーだ。  今日は立食形式のブッフェスタイルで、スタンドテーブルが四つと、壁際に疲れて来たときのために椅子が並べられている。  後二つのスタンドテーブルには、ベテランアカウントマネジャーの佐伯と、アシスタントの香川三津子の組み合わせと、沙也の二年先輩にあたるアカウントプランナーの殿山(とやま)恵美子と二年目のアシスタント園田誠人(まこと)の組み合わせに分かれている。 「うーん、秋山は芸能界のアイドル的な可愛さで、市原さんはモデルのような美人かな。まあ、どっちを好きかは好みだと思うけど」  私の言葉通り、沙也は誰もが認める正統派の美人顔だ。秋山は可愛いことは間違いないが、ファニーフェイスなので、好みが分かれるだろう。ただ、男のいやらしい目線で言えば、秋山はかなりの巨乳なのでその系統が好きな人はたまらないだろう。現に本田と茂木も秋山のブルブル揺れる胸を時々チラ見している。  裕二は男の本能に忠実な二人が可愛くて、つい含み笑いしてしまう。
/105ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加