でぃあー。愛しきキミへ

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「じゃ、じゃあ。よ、読むね」 「え?よ、読むの!ここで!?」 手紙……後で読ませるのでは? わたしだったら渡してすぐにその場から立ち去る。恥ずかしいもの。 なにゆえ朗読? 勇気あるわぁと感心した。 告白……だよな? やっぱり。 そんな雰囲気だ。 彼がこんなテンパって、口がわちゃわちゃ歪んでるの見たことないもの。 えー、じゃあ、読みますと言って、咳払いを一つする。 「でぃあー。愛しきキミへ」 ぶはっ 「ちょ!ちょっとまてーい!」 「えっ?」 わたしは彼の手紙を取り上げる。 「恥ずかしいわ!」 「お、俺だって!」 「じゃ、なんで読むの!」 「え?よ、読んだほうが、つ、つ、伝わるかなっと、思って」 勇気あるわぁ。 「いま思いついたんだ、アドリブ……」 アドリブかい! その手紙の文面に目を落とす。 『bear.愛しきキミへ』 ぶはっ、bear(ベア)って!なんで小文字! わざわざかっこつけて筆記体っぽく書かれてるけど! 『b()』と『d()』間違えてる!
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