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「 2章・2 」集めるのも楽じゃない
マーヴィン・ハリスの名前を聞いて暮らしていた屋敷の執事を思い出してしまうスザンヌ。
(始めは嫌だったけど、慣れたら楽しかったのよね。ハリスさん達は元気かな。)
婚約無効にならなければ、ジュリアンお爺さんと結婚して暮らしていたのだ。
お爺さんのお嫁さんは無理だけど、遊びに行ってみたい気がしてる。優しくしてもらったし。
ガチャガチャーー。
目の前のハリスは、持っている袋からお菓子の詰め合わせが入ってそうな可愛いい箱を取り出した。
「セット!」の一声で棒が出て来る。それは生き物のようにクネクネして、スザンヌに照準を当てた。
「魔力=微力。資質=一般人レベル。攻撃力=判定する力量なし。防御力=判定する力量なし。濃厚=反魔物。」
大人達3人の声が揃った。
「濃厚?」「濃厚か!」「濃厚ねえ。』
濃厚だと、ヤバいのか。今まで「能力なし」として生きてきたスザンヌには、理解しようが無い。誰か、教えて!
「あの、あの、濃厚って?」
ゴメスがスザンヌを見てニヤリとする。スザンヌはドキリとした。色気を放たれた。
「いや、欲しいねえ。」
「えっ、私をですか?(ドキドキ)」
「うん、君を。」
「え、ええええええええ(声が上ずる)」
アンジェリカが、ゴメスの背中を叩いた。
「やめて、女の子をからかうのは。私が許さないわよ!」
「からかう?そんなつもりは。ねえ、スザンヌさん。」
「は、はあ。まあ、そうかなー(遊ばれたの?)」
ショックだわ。ちょっとの間、その気になったのに。私を彼女にしたいのかと勘違いしてしまったわ。夢が・・
ハリスが解説してくれる。
「濃厚という判定は、まだ底があるという事だと思われる。未開発だから、この程度の出ている力で。使えるようになれば、どれだけになるか分からない。こんな能力は希だ。滅多に無い。」
滅多に無いなんて、天然記念物くらいなのかしら。3人が話し合いして、ゴメスさんのもとで魔法使いの勉強をする事が決まったのでした。
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