「 2章・4 」あのお屋敷の秘密

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「 2章・4 」あのお屋敷の秘密

神殿に戻ったスザンヌは、アンジェリカに報告して相談してみた。 「アグアニエベさんは、魔力で追い払ったんですよ。やる時は、やるんですね。」 「多分、やる時はね。ふふふー。」 「ジュリアンさんの病気は治りますか?」 「スザンヌちゃんの話を聞いただけでは、ねえ。呪いかかってる感じ。」 「呪い、ですか!」 呪いが掛けられていると、元を絶たないと終わらないそうだ。中途半端に 呪いを排除すると、捕まってしまう危険性が高い。 「スザンヌちゃんは、魔法の勉強を始めたばかり。手は、出さない事。いいわね?」 助けてあげたかったのに、禁じられてしまった。 アグアニエベは、移動ドアを開けて振り返った。 「さあ、こちらがエバンス公爵家ですよ。アンジェリカさん?」 後ろに居たはずのアンジェリカが、離れて立っている。アグアニエベは、ふざけているのかと思って笑った。 「笑い事か、笑えないわよ!」 と、叱られた。慌てて、謝る。謝るのが最大の機嫌とり。 「ごめんなさい、ごめんなさい(2回やったからパス)。どうされたんですか?」 「あんた、何も感じてないの?」 「何もって、何を?」 「悪魔って、平気なんだ。そう、ふーん。」 そう言って、アグアニエベから離れて行くアンジェリカ。アグアニエベは、混乱する。悪魔と平気は、同意語なのか。何の? 「悪魔だから、この悪臭が耐えられるのよ。分からない?この屋敷は、魔物がひしめいてるわ。私は、入れないから。絶対に嫌っ!!」 クルリと身を翻して、アンジェリカは去って行った。残されたアグアニエベは困惑する。 「入れない?でも、でも、スザンヌさんは暮らしてましたよーん。」 そうだ。聖女の能力があるというスザンヌは、この屋敷で元気に暮らしていたのだ。毎日、ご馳走を食べていたので少し太ったくらいです。 念のため、魔力で屋敷内をスコープ。魔法検索機能に追加。神殿で写してみた。 「安全第1!何かあったら、叩き潰すから!」 アンジェリカは、ゴーレムを映写機の側に座らせた。大聖女が警戒する程、恐ろしい物なのか。神殿の大広間の壁にエバンス公爵邸が写し出される。 「うわっ、気持ち悪ー!」 早速の歓声。アンジェリカは、布で口を覆った。アグアニエベは目をこらすが普通の屋敷にしか見えない。 「あのー、アンジェリカ様。見えないんですけど。」 マジックハンドが出て来て、アグアニエベの頬を掴んだ。痛みに顔を歪めたアグアニエベは、屋敷を見て驚く。 「何だ、あれは?」 見えたのは、真っ黒な煙に覆われた屋敷。アンジェリカは、呆れたように説明してくれる。 「あれが分からないってのは、魔に同化しすぎ!神様のお手伝いなら、違うわよ。でも、庭と屋敷の1部分に隙間が出来てるわ。どうしてかしら?」 その事を聞かれたスザンヌは、明るく笑う。 「それって、私が運動してたとこじゃない?運動不足で部屋と庭を走り回ってたの。太ってきたから、うふっ。」 付いた肉を落とす為に運動していた場所。そこには、今でも魔物が居ない。称号「魔除け」決定!
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