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「 2章・5 」初ダンジョン
「魔除け」は、稼げるの?と思ったので、聞いてみる事に。
そこは、「魔法学校」の生徒のエレンの家。エドワードやエリザベスと学校の生徒が同居していた。そこへ、アンジェリカが送ってくれたのだ。
「アンジェリカさんて、優しいんです。エレンさんのお家に行きたいと言ったら、魔法で送ってくれました。私、「魔除け」だそうです。」
大きな葡萄園を経営しているエレンの家。エドワードやエリザベスも手伝っているらしい。仕事の合間に質問してみた。
エレンは、何時も優しい笑顔。お茶タイムにカナッペを薦めながら首を捻る。
「魔除け、ですか?聞いた事がありません。」
エリザベスが、それらしい話をしてくれる。
「何なの?似た話は知っているわ。私の国は、呪術師だけで魔法使いが居なかったから。」
「呪術師ですか、らしい!聞かせて。」
「蹴落としたい相手がいたら、頼んで呪ってもらうのよ。私も酷い目に合ったの。魔除けなら、仕事になるかも。」
「本当?その国なら仕事できますね。」
エレンは、心配そうな顔になる。
「スザンヌさん、お金が必要なんですか?」
「はい、必要なんです。貧乏男爵ですから。」
即答。娘を売るくらいだから、困ってます。私が働いて助けないと。あの父親だから、新しい商売も失敗してる。それは、自信あります!
そして、ダンジョン初体験の日が来ました。ドキドキものです。話は聞いていたものの、まさか、自分が入るとは。想像もしなかったスザンヌ。
まず、ダンジョンに登録。職業を決めなくてはいけないので、魔法検定を受ける。
受付のお姉さんが、合図。
「はい、大きく息を吐いて。止めて!」
カシャッと音がして、水晶に文字が浮かび上がった。お姉さんは、それを伝える。
「魔力はレベル以下だけど、防御が強いみたいね。「聖女見習い」で、お願い。ソロは、能力が上がってからにして。必ず、グループでの狩りを守ってください。」
要するに、使い物にはならないという事かしら。ガッカリー。
隊長のエドワードは、初心者コースを選択。誰でもクリアできる鳥冠(とりかんむり)モンスター草の花つみです。
スザンヌは、聞いた事も見た事の無い花だった。
「その鳥なんとか草って、何ですか?」
エリザベスは、ニッコリする。
「何なの?知らないのね。見たら、分かるわよ。」
エレンとガブリエルは顔を見合せて笑っている。やっぱり、何かありそう。
ギルドの魔法使いが、チームをダンジョンの地へ転送してくれる。到着した場所で、スザンヌは鳥冠モンスター草と遭遇。
「本当、見たら分かる!」
花なのだけど、茎に鳥の頭が付いているのだ。人が近づくと、「ギャー」と鳴く。それが、一面に咲いているから大合唱。
ギャー、ギャー、ギャー、ギャー!!
花冠モンスター草は、万能薬になるそうだ。ジュリアンさんにも、あげよう。採集しても、篭の中で煩いけど。
でも、無料(ただ)では摘ませてはくれない。
「助けてくれー!」
叫びながら走ってくる勇者たち。皆で、こちらへ来る。エドワードがチームメンバーに指示した。
「皆、離れるな。固まるんだ!」
メンバー達は、ひと塊(かたまり)になって魔術師の移動回収場所へと動いた。だが、相手の動きの方が早かったのだ。エレンが声を上げる。
「皆さん、気をつけて下さい。飛んで来ます!」
彼等は一斉に飛びかかって来る。それは、数えきれないくらいのゴーストだったのだ。
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