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妻は、夫へ言いました。
『和多志は、後少ししか生きられません。和多志が死んだ後、あなたは、再婚してね。でも、和多志の事は、忘れないでね。』
と。
そんな妻の言葉に、夫は、こう答えました。
『俺の心配をしてくれてるんだね。ありがとう。でも、再婚はしないよ。妻と呼べるのは、君だけなんだから。君が先に旅立っても、自暴自棄になったりしないから、安心して。それから、君を忘れる事はできないから大丈夫だよ。来世で又会おう。』
この言葉を聞いた妻は、涙を流しながら、何度か頷いた。
そして、震える声で、
『ありがとう。大好き。愛してます。』
と、夫に伝えました。
『ありがとう。大好きだよ。愛してる。』
と、夫は、妻に伝えました。
その数日後、妻は旅立ちました。
夫は、沢山泣きました。
数日間、泣きました。
そして、妻との約束どおり、自暴自棄にならずに、日々を過ごしていきました。
時折、妻との思い出に涙しながら、それでも、生活していきました。
そして、夫は天寿を全うし、旅立ちました。
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