再会

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今日は、新規の相談者さんが来る日だ。 相談の為の予約電話は、女性の方だったな。 どんな相談なんだろう。 そう思いつつ、境内を掃除する。 そうしてる内に、誰かが、寺の門をくぐって来た。 もしかしたら、新規の相談者さんかもしれないなと思い、掃除を止めて、門の方へ向かう。 女性の方だ。 女性は、俺に氣が付いて、 『こんにちは。予約していた○○です。』 と、言い、頭を下げた。 その女性をしっかり見た時に、俺に衝撃が走った。 その衝撃は、時間にしたら一瞬だっただろう。 でも、俺にしたら長い時間に感じた。 できるだけ、その衝撃を俺の中に押し込め、その女性に、できるだけの平静を装って、何時もの様に、 『こんにちは。どうぞこちらへ。』 と、声をかけ、本堂に案内をする。 『こちらで少しお待ち下さい。』 と、声をかけて、女性から離れた。 相談を受ける身支度をしながら、俺は思っていた。 「彼女だ。前世の妻だった彼女だ。約束通り、やっと会えた。」 と。 喜びの氣持ちでいっぱいだが、今、彼女は、相談者だ。 何時もの様に、相談者と向き合わなければ。 そう思いつつ、身支度を終え、彼女の所へ向かう。
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