第三曲  夏が来れば

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就職した彼から 連絡が少し減り始めた五月、  「今年の休みも尾瀬がいいなあ」 聞こえないふりの彼の横顔。 なんの連絡も無くなった夏、 確認するまでもなく 街で見かけた彼の隣に スラリと背の高い綺麗な女性。 目も合わさずに すれ違った彼と彼女、 雑踏での最終場。 駅のピアノに乗せて 追憶から覚めたころ、 「遅れてごめん」 女に駆け寄ってきたのは 彼女の夫。 夫は先月からこの街に単身赴任。 あれから少しまた恋をして この優しい夫と結婚。 でも、こうして・・・ 不意に思い出は彼女の耳に メロディと共に去来する。  🎵 遥かな尾瀬 遠い空 🎵          ー 第三曲 幕 ー
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